●高気密高断熱住宅がこれからの時代に必要な理由●

私が高気密高断熱住宅を提案しなくてはならないと思ったきっかけは

【住宅と健康】の関係性を学んだ時でした。

日本における交通事故の死亡者数と、住宅内の「ある事故」による

死亡者数の比較を聞いた時に驚きました。

現在、交通事故で亡くなる人は年間約5,000人、

これに対して、住宅内のある事故で亡くなる人は年間約17,000人、

実に交通事故の約3倍以上もの人が,住宅内の事故で亡くなっています。

テレビや新聞で交通事故により,亡くなった方のニュースは見ますが

住宅内で亡くなった方のニュースはあまり見ませんよね。

3倍以上もいるのに。

今は、住宅から出る際に、

『車に気をつけてね、いってらっしゃい』という事よりも

住宅内の方がリスクは高いということになります。

ではなぜ,そんなに住宅内でお亡くなりになるのでしょうか?

そのある事故というのが『ヒートショック』です。

住宅内の気温差により,脳心疾患が発生しお亡くなりになります。

冬場の暖かいリビングからトイレや浴室に向かう時

廊下に出た瞬間に『ヒヤッ』としか感覚がありますよね。

それが大きな原因です。

実に興味深いデータがあります。

冬に寒さによる病気の自宅死亡率を調べた結果、

驚きの事実が分かりました。

心疾患による死亡率、1位四国地方、2位近畿地方、3位中国地方、

脳血管疾患による死亡率、1位四国地方、2位東海地方、3位中国地方、

なんと!

私達が生活している、瀬戸内海を挟んで

四国と中国地方が上位に入っています。

そして、極寒の地である北海道は、

最下位10位という結果になりました。

岡山県は『晴れの国岡山』と呼ばれています。

比較的温暖な気候のイメージを持たれていると思います。

実際に晴れの日が多く、快適に暮らすことが出来ます。

私は、産まれも育ちも岡山県の瀬戸内海側なのでよく分かります。

住みやすいなぁーと思います。

では、なぜ高気密高断熱住宅がこんなにも必要だなと

私が感じた最大の理由、

それは、私が大学生時代を過ごした

北海道での4年間にあります。

私が北海道の北見市に4年間暮らしました。

夏の気温は35℃を超え、冬の気温は-25℃を下回ります。

実に最高最低で60℃の開きがあります。

そんな過酷な気候条件の北海道北見市ですが、

建物の住み心地はとっても良いです。

本当に夏は涼しく、冬暖かいという

まさに最高の住宅です。

よく言われるのが、冬でも室内はTシャツで過ごせる!!

私も経験済みです、紛れもない事実です。

私が住んでいた所は下宿で、

食堂や浴室は別の建物だったために

一度外に出なければなりませんでした。

冬場、その一度外に出る十数秒の間に、

濡れた髪の毛はバキバキに凍ってしまいます。

体を拭いたタオルも振り回せばすぐに板状に凍ります。

しかし建物に入ると暖かいのです。

本当に始めは不思議でした。

こんな世界って(笑)

そんな気候条件でも快適な暮らしを可能にするのが

【 高気密高断熱住宅 】

なのです。

父、祖父が大工の私にとって衝撃の住宅でした。

子供のころから住宅建築現場に遊びに行き、

断熱材が綿状のグラスウールだってことも

小学生の頃には知っていたので、

まさかこんなにも??と驚きました。

そして北海道に住んでいた頃に【 気密 】 という言葉に出会いました。

今まで当たり前に使っていた、石油ストーブが使えないのです。

使うと一酸化炭素中毒で「すぐに死ぬよ」って言われて驚きました。

部屋の中に室外の空気がほとんど入ってこない、

だから温まった空気が逃げることなく

魔法瓶のように室温を保つことを可能にしています。

昔ながらの日本家屋は、隙間風がピューって入っていましたよね。

そこが違いました。

日本の最高峰の住宅断熱気密性能を誇る

北海道での暮らしの経験が
現在、

中四国地方の脳心疾患の死亡率の軽減に

繋がるのではないかと考えました。

ここ、瀬戸内海側で北海道並みの住宅性能って本当に必要なの?

大げさな性能じゃないの?と思われると思います。

では、昨年の岡山県笠岡市のデータを見てみましょう。

最高気温が36.8℃、最低気温が-3.3℃と

気温差が40℃あります。

最高気温が30度以上の真夏日が60日、

最低気温が0℃を下回る日が46日ありました。

これは、夏の過酷な暑い日が約2ヶ月間、

冬の凍るような寒い日が1ヶ月半あります。

温暖なイメージの裏側には、厳しい気候環境が1年の1/4以上ありました。

よって、今まで重要視してこなかった断熱性能や気密性能が

健康被害を与える結果に繋がりました。

そして、2018年は記録的猛暑と記録的寒波に遭遇しました。

連日体温を超える気温と冬場は-5℃を下回り、

水道管の破裂が相次ぎました。

冬場の死亡事例の話ばかりしてきましたが、

近年は、夏の熱中症による自宅での死亡事例が急増しております。

ここ笠岡市でも、50代の男性の方が熱中症で亡くなる

という事例も発生しております。

今の住宅に必要なこと、

それは『快適に過ごす』ことです。

いまや命さえも奪う気候になっています。

北海道並みの住宅性能を体感している

私だからこそお伝えできる、

私だからこそ提唱しなければならない使命だと思っています。